はじめに
「先生!〇〇くんに叩かれた!」
相手の子に話を聞くと、
「違う!先にやってきたのはそっち!」
どっちの話を信じればいいの?
何から聞けばいいの?
若手の頃の私は、
友達トラブルが起きるたびに焦っていました。
でも、経験を重ねて気づいたのは、
友達トラブルは、早く解決するより
“順番に整理する”ことが大切
だということ。
今回は、私が生徒指導で大切にしている
「友達トラブルの聞き取り5ステップ」
を紹介します。
「何から聞けばいい?」と迷ったときに、
そのまま使える方法です。

STEP1|まず「安全」を確認する
トラブルが起きると、
「何があったの?」
と、すぐに事情を聞きたくなります。
でも、その前に確認したいのが、
「安全が確保されているか」
例えば、
- けがをしている
- 興奮している
- 相手に手を出しそうになっている
- 泣いていて話せない
こんな状態なら、
まず安全を確保します。
必要であれば、
「話はちゃんと聞くから、まず落ち着こう」
と伝えて、
話せる状態になるのを待ちます。
気持ちが大きく動いているときに、
無理に話を聞いても整理できないことがあります。
だから、
「聞く」より先に「安全」。
これが最初のステップです。
STEP2|必要に応じて別々に話を聞く
若手の頃の私は、
「じゃあ2人とも来て」
と、当事者を一緒に呼んで
話を聞くことがありました。
すると、
「違う!」
「そっちが先じゃん!」
「嘘つくなよ!」
その場でまた言い合い。
余計に何があったのか
分からなくなることがありました。
だから今は、
状況に応じて一人ずつ話を聞きます。
このとき大切なのは、
「どっちが悪い?」を決めようとしないこと。
まず、
「何があったの?」
「最初は何をしていたの?」
「その次は?」
「それからどうしたの?」
と順番に聞いていきます。
先生が答えを決めるのではなく、
まず、その子から見えた出来事を聞く。
ここを大切にしています。
STEP3|「事実」と「気持ち」を分ける
ここは、私が特に大切にしているポイントです。
例えば、
「〇〇くんが、わざとぶつかってきた!」
と訴えてきたとします。
このとき、
「〇〇くんがわざとぶつかったんだね」
と返してしまうと、
「ぶつかった」という事実と、
「わざとだと思った」という気持ちや受け止め
が一緒になってしまいます。
だから、
「ぶつかったんだね」
「そのとき、わざとだと思ったんだね」
と分けて確認します。
そして、
「そのとき、どんな気持ちだった?」
と聞きます。
大切なのは、
事実は丁寧に確認する。
気持ちは否定せず受け止める。
この2つを分けるだけでも、
話がかなり整理しやすくなります。
STEP4|時系列に並べて整理する
それぞれから話を聞いたら、
何が起きたのかを順番に並べます。
例えば、
① AさんとBさんが鬼ごっこをしていた
↓
② BさんがAさんにぶつかった
↓
③ Aさんは「わざとだ」と思った
↓
④ AさんがBさんを押した
↓
⑤ Bさんが怒って言い返した
こうして整理すると、
最初の「叩かれた!」
だけでは分からなかった
トラブルの全体像が見えてきます。
そして、
「ここまでは2人とも同じだね」
「ここから2人の話が違っているね」
と確認します。
必要に応じて、
その場を見ていた子や教職員にも確認します。
ここで大切なのは、
一人の話だけで決めつけないこと。
最初に聞いた話だけで判断せず、
それぞれの話を整理していきます。
STEP5|「謝って終わり」にしない
話を整理できたら、
最後に考えたいのが、
「次はどうする?」
若手の頃の私は、
「それはダメだったよね」
「じゃあ謝ろう」と、
謝らせればトラブルは解決
だと思っていました。
でも、
「ごめんなさい」
と言って終わっても、
また同じトラブルが起きることがあります。
だから、
「嫌だったとき、押す以外にどうできたかな?」
「次に同じことが起きたらどうする?」
「どんな言い方なら伝わりそう?」
と一緒に考えます。
例えば、
- 「やめて」と伝える
- その場から離れる
- 先生に相談する
- 近くの友達に助けを求める
などです。
大切なのは、
「ダメだった」で終わらせず、
「次はどうする?」まで考えること。
子どもの中に、
次に使える選択肢を一つ増やしていきます。
「早く解決しなきゃ」をやめたら、対応が変わった
若手の頃の私は、
トラブルが起きるたびに、
「早く解決しなきゃ」
と思っていました。
次の授業もある。
ほかの子も待っている。
場合によっては、
保護者への連絡も必要になる。
だから焦って、
早く結論を出そうとしていました。
でも、生徒指導を経験する中で、
その場ですべてを解決することより、
丁寧に整理することの方が大切
だと考えるようになりました。
安全を確認する。
それぞれの話を聞く。
事実と気持ちを分ける。
時系列で整理する。
そして、
「次はどうする?」を
一緒に考える。
この順番を持っているだけで、
「どうしよう……」から「まず整理しよう」
に変わりました。

まとめ|迷ったら、この5つ
友達トラブルが起きたときは、
この5つを思い出してください。
① 安全
まず安全を確保する
② 別々
必要に応じて一人ずつ話を聞く
③ 事実と気持ち
「起きたこと」と「感じたこと」を分ける
④ 時系列
最初から順番に整理する
⑤ 次どうする?
次に取れる行動を一緒に考える
友達トラブルが起きたとき、
最初から完璧な対応をする必要はありません。
大切なのは、
早く終わらせることより、
一つずつ丁寧に整理すること。
そして、生徒指導は
「先生が問題を解決してあげること」だけではありません。
子ども自身が、
「自分はどうすればよかったのか」
「次はどうすればいいのか」を考え、
次の行動を選べるようにすること。
その積み重ねが、
子ども自身でトラブルを乗り越えていく力に
つながっていきます。
明日、友達トラブルが起きたら、
「どうしよう……」ではなく、
「まず何があったか整理しよう」
そこから始めてみてください。

やってみよう!
今日の記事の中から、
明日使ってみたいものを一つ決めてみてください。
「事実と気持ちを分けて聞いてみます!」
「すぐに謝らせず、『次はどうする?』まで一緒に考えます!」

ぜひ公式LINEのトーク画面から
アウトプットしてみてください。
一つずつ実践していけば、
生徒指導の引き出しは増えていきます。
「生徒指導、どうすればいいか分からない」から、
「この順番でやってみよう」へ。
その小さな積み重ねが、
先生としての自信につながっていきます。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!
きき

